沖縄のおいしい水


「今回、我が青い鳥カンパニ―が紹介するのはこの新商品です!」
背広にネクタイ、眼鏡をかけた男は部屋に詰めかけた人々に向かって叫んだ。人々に手渡されたのは一本のペットボトル。
「その名も“沖縄のおいしい水”。これは癒しの島沖縄の奥地に湧く天然水です。ぜひ飲んでみてください、他社と違って一番人間の成分に近い水なんです!」
俺は促されるまま飲んでみた。確かに他の水と違いとても美味い。癒しの島を強調する男に質問してみる。
「どうして人間の成分に一番近い水だといえるんですか?」
男は笑って答えた。
「沖縄の奥地に、虐殺があった防空壕の死体置場から湧き出た水です」
聞いた途端、俺は水を吐き出してしまった。騒がしかった部屋の中がシンと静まる。
男は嗤いながらまた話しだした。
「嘘に決まってるだろうが。これはこの大学から汲んだただの水道水だ。ネズミ講等で行われる知覚に対する主なトリックの手口の例は以上だ。…講義を続ける。」

作者(敬称略) : 昼寝 空太
コメント : 初めて書きます。よろしくお願いします。

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イメチェン


 昨日は少し飲みすぎたようだ。僕は朝起きるとすぐに、冷蔵庫から天然水と書かれたペットボトルを取り出してラッパ飲みする。うん、これで頭がすっきりした。
 ふと時計をみると、友達と約束した時間まであと少ししかない。いっけねぇと舌打ちして急いでシャワーを浴びる。シャワーを浴びた後、洗面所で髪を乾かしながら思わずにやけてしまった。染めた髪はきれいな赤色だ。緑にしようかとも思ったが、やっぱり赤で正解だった。
 ストライプのシャツに、今はやりの青い鳥がデザインされた細いネクタイを締めた。そのあと急いでピアスを耳につけて、最後に銀の指輪をはめる。
 再び時計を見ると…よし時間にも間に合いそうだ。僕は玄関を開けて、部屋から出てきたマサルに声をかけた。
「今からちょっと遊びにいってくる!」
 後ろでマサルの呆れた声が聞こえる。

「…じいちゃん、いくら孫と張り合いたいからって何も髪を赤くして耳にピアスあけるこたぁねぇだろうに…」

作者(敬称略) : 昼寝 空太
コメント : 400字は難しいです。

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