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ラッキーアイテム

「ちょっとそこの坊ちゃん」
 道を歩いていた少年に声をかけたのは、どこにでもいそうな中年男性だった。
 少年が無視して行こうとすると、「いいもんあげるよ」と彼の前に立ちふさがり間髪をいれず勝手に話し始めた。
「今の時代はシロツメクサじゃだめだね。アレにも結構パワーは宿っているけど、もっと強力なやつがある。何もせずそれを持っているだけであら不思議! 次々と良い事が起きるのだ。そんなラッキーアイテムを私は無料で配っているのさ。ほら、君もどうぞ」
 男性は持っていたバスケットから、星型のシールで封をされた一通の封筒を出すと、少年にそれを押し付けあっという間にどこかへ去ってしまった。
 少年はしばらく呆然といていたが、封筒の中身が気になり怖々開封した。
 中には白い紙が一枚だけ入っていて、何行かに渡り文字が書かれてある。
 その一行目、『これは不幸の手紙です』という文字が少年の目にいきなり飛び込んできたのだった。

作者(敬称略) : るーぼし | ジャンル : その他 | コメント : お題をどの様に使うかで迷いました
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