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世界へと通じる鍵

 時計が午後三時を指した。
 これからいつもどおり、僕はワールド・キー――世界へと通じる鍵――を使って壮大な旅に出掛けるのさ!
 使い方は簡単。
 どこのドアでもいいから鍵穴にこの鍵をさすだけ。
 それだけで何の変哲もないドアの向こう側は、僕が見たことのない世界へと繋がる。
 難点は午後三時にしか使えず、行き先はドアを開けないとわからないこと。
 それは鍵に付いていた取扱説明書に載っていた。
 おやつが食べられなかったり、行き先がわからないのは心配だけど、これに値するような冒険ができたのは確か。
 それこそアメリカ、オーストラリアといった海外から、僕が住んでいる日本国内、果てにはエルフがでるファンタジーな世界にも行ったことがある。
 今日はどんな世界に行くのかな?

 ここは病院?
 僕の親がいる。
 母さんに抱かれて、泣き声をあげているのは……
 僕は急いでドアまで戻った。
 だって恥ずかしくない?
 自分で自分を見るなんてさ?

作者(敬称略) : Azure | ジャンル : ファンタジー | コメント : 処女作。思いつくがまま書いてみました。
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