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午前二時

 私は自室でひたすらパソコンのキーを叩いていた。
明日の朝までに仕上げなければならない書類がある。
しかし未完成だ。
文章を作成し続け、早数時間。目も体も私に疲労を訴えていた。
「少し休憩するかな」
 そう呟き、大きくのびをする。座っていたイスから立ち上がり
軽くストレッチをした。何気なく壁に掛けてある時計を見る。
「午前二時……草木も眠る丑三つ時か」
 丑三つ時――そこから連想するのは怪談だ。昔はその類の話が
好きだった。
だが今は現実の事に精一杯で、とても夢中になっている暇はない。
 
 ――オギャー
 その泣き声は唐突に耳に飛び込んできた。赤ん坊か?
ありえない。
この一軒家には私以外誰もいないのだ。近所も静まっている。
 ――オギャー
 先程よりもすぐ近くから聞こえてくる。
空耳だ、と自分自身に暗示をかけるが全く効果はない。
 ――オギャー
 今度は背後から。気のせいではない。いる。
確かに「何か」が、いる。

「オギャー」
 私の意識は、暗転した。

作者(敬称略) : るーぼし | ジャンル : ホラー | コメント : 初参加です。ホラーになっていれば良いな…
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