その先を目指して
ドカーンッ
俺は階段から落っこちて、目が覚めた。
母の足音が聞こえてくる。
「もうー。なんて寝相が悪い子なの!?」
機嫌が悪そうな声で、母が怒鳴りつける。
俺は「うるせーなー」と、言い返した。
別にいいじゃねえか。
テメェこそ何イライラしてんだよ と。
反抗的な態度をとった俺を見て、母はもっと怒り出した。
「出て行きなさい!」
これがすべての始まりだった。
かわらで一休みする俺。
空を見上げると、もう夕方だった。
紅く染まった空を見て、俺は呟いた。
「オフクロがイライラするのも無理ないか。」
1ヶ月前、離婚した。
俺は母に付いていった。
だからここにいる。
本当に一番つらいのは、オフクロだ。
俺はふと思い出した。
小さいころ、絵を書いた。
その絵は、家族で仲良く居座っている写真。
爪まで細かく描いた。
今頃思い出してもしょうがないか。
俺は歩いた。
その先を目指して
作者(敬称略) : 飛鳥 | ジャンル : 現代 | コメント : お題全部いれました。
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