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赤い恋人

夜、彼氏の誕生パーティーがあるの。
プレゼントは今日買うつもり。楽しみだな〜

だけどドジなわたしは昼食のからあげを作っているときに
油が腕にかかって大ヤケド。
ヤケドした腕に包帯なんかまいちゃって、ほんとに憂鬱。
病院に行ってたらもう日が暮れてたわ。
まずい。パーティーに遅れちゃう。

プレゼントを買う時間もないので
そこらへんに生えているバラをつみとって彼氏宅へ。
彼は文句もいわず迎えてくれた。
「あ、あのプレゼント…」
とわたしは申しわけない気分でバラをさしだす。
「きれいなバラだね」
と彼はカッコつけてバラの茎を口にくわえた。
「痛!」
バラのトゲはまだ抜いてないのに…
ほんとにそそっかしいんだから、この男は。
彼の唇から鮮血がどばどばあふれだす。
「あははっ! 僕もケガしちゃった! これでおあいこだね!」
「全然おあいこじゃないわ。あなたはまだ軽症じゃないの」
「…」
彼は全裸でバラの花畑に突っ込んでいった。

作者(敬称略) : 野垣 | ジャンル : 現代 | コメント : 誕生日を迎えた恋人同士のお話です
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