ベランダには・・・

「あら、今日資源ごみの日じゃない」
カレンダーを見て私はつぶやいた。
ゴミ、まとめとかなきゃ。
ベランダに出て、空き缶、ペットボトル、ビンを分ける。
娘が使ったヘアスプレーの容器もきちんと穴をあけ、ガスを抜いておく。
その時、リビングから電話の音が鳴り響いた。
「あら、木村さん」
ヨガ教室にも一緒に行っている近所の主婦友達。
「今？大丈夫よ。ゴミまとめてたとこ。今日資源ごみの日じゃない。・・・ええ、そうよね、最近野良猫がゴミ漁ってるわよねぇ。管理人さんに言っとかなきゃ・・」
他愛もない会話。
別にわざわざ電話で話すことでもないのだ。
けれど、これが主婦のストレス発散。
毎日の日課である。
「・・・・ええ、それじゃあまた後でね」
1時間半後ようやく電話を切り、何をしていたのか思い出す。
そして唖然とした・・・
ごみ収集時間はとっくの昔に過ぎていた。
ベランダには毎回そうやって出し忘れた資源ごみがとうとう３ヶ月分になっていた。