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ナイスプレー

塾講師である猫山氏は悩んでいた。
塾内に虫が大量発生し、生徒が勉強できないからだ。

塾の生徒たちは秀才ぞろい。
全員が一流大学を目指していた。
しかし、虫の影響で勉強がはかどらない。
猫山氏はため息が止まらなかった。

ある日、一通の勧誘電話があった。
「新型殺虫スプレー『ナイスプレー』販売中!
 このスプレーを1回吹きつけるだけで
 部屋中のあらゆる虫が死にます。
 ぜひお買い求めください!」

猫山氏はさっそくナイスプレーを購入。
生徒たちを教室に集め、スプレーを教室内に吹きつける。
クモやゴキブリが次々と死んでいった。
猫山氏も生徒たちも感無量。
これで勉強に集中できる。誰もがそう思った。

そのとき、バタリと生徒が倒れた。
「おい、どうした?」
生徒は死んでいた。
なおも生徒は次々と倒れていく。
猫山氏だけが生き残った。
「バカな! このスプレーは人体に無害だ!」
猫山氏は知らなかった。
優秀な生徒たちが「点取り虫」だということを。

作者(敬称略) : 野垣 | ジャンル : 現代 | コメント : 一流の塾で起きた大量死事件
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